人気グループのコンサートチケットを購入するのは困難であり、それをどうしても欲しいというファンの方も少なくありません。
当然ながら発売されるコンサートチケットの枚数は限られております。
そのため発売から数分でチケットは完売となり、入手できるかできないかで命運を分けることになるのです。
もちろん本当のファンがチケットを入手できればコンサートに行くために使用するでしょう。
ところが購入者のなかにはコンサートを見に行く目的ではなく、転売する目的で購入している方もいるのです。
人気アイドルグループのコンサートチケットともなれば正規の販売価格の数倍の価格で売買されており、入所困難なチケットを転売するビジネス成り立っています。
そしてついにこの電子チケットを高額転売していた男性が詐欺容疑で逮捕されました。
この事件はこれまで問題視され続けてきた全国で初めてのケースであり、今後もこの容疑者のような逮捕者は相次ぐことでしょう。
では電子チケットの転売が詐欺行為にあたるのに対しアマゾンギフト券の転売は法律的に問題ないのか検証していきたいと思います。
電子チケットの高額転売が詐欺行為になるワケ

今回の事件の逮捕容疑は2016年9月、インターネットの販売サイトでコンサートの電子チケット2枚を申し込み、転売目的を隠して購入した疑い。
同課によると、小西容疑者は計1万3648円で購入したサカナクションのチケット2枚を、ネットの転売サイトに計7万4000円で出品していた。14年以降、約6000万円を売り上げていたという。
小西容疑者は落札者とコンサート会場近くで落ち合い、電子チケットが表示される自身のスマートフォンを渡す代わりに、免許証など落札者の身分を証明する書類を預かる手口で入場させていたとみられる。今年3月、チケット販売会社から情報提供があり、県警が捜査していた。
といった内容の事件です。
コンサートのチケットの販売といいますと金券ショップでも見かけることは少なくありません。
つまりコンサートのチケットを転売・換金することは詐欺でもなければ犯罪でもないのです。
ではなぜ今回の容疑者が詐欺行為として摘発されたのかといいますと、コンサートチケットを転売する目的で購入しているにも関わらず、チケット販売会社を欺き正規の目的として購入した疑いがあるため詐欺行為として逮捕されたことになります。
つまりチケットを転売・換金目的で購入することが禁止されているにもかかわらず、転売する目的で購入し購入者に高額で販売したことによって転売目的が実行され詐欺となったのです。
この容疑者の場合、過去3年間で6000万円の不当な利益を得ており、常習的にチケットの高額転売を行っていたものと見られます。
そして購入者とコンサート会場で待ち合わせ電子チケットが表示されたスマートフォンを購入者に預けるという巧妙な手口は高額転売をビジネスとしているに違いないでしょう。
今回の事件でこのようなチケットの高額転売という悪質ビジネスを行う業者には大きなニュースとなったのではないでしょうか。
アマゾンギフト券の換金も詐欺になる可能性はあるのか?

コンサートのチケットだけではなくレジャー施設や航空券なども買取・販売している金券ショップは正規の商売であり違法性はありません。
しかしながら今回の事件では購入したチケットを高額転売し詐欺行為となりました。
ではアマゾンギフト券を換金する行為もチケットの高額転売と同様にAmazonを欺く行為となるのでしょうか?
チケットの高額転売の場合、正規に販売されている価格の数倍の価格で販売するという収益を目的とした悪質なビジネスが摘発に至った理由のひとつといえるでしょう。
その点を考えればアマゾンギフト券を換金するユーザーは収益を得ることはできません。
むしろアマゾンギフト券を換金することによって額面よりも少ない現金となりますので損をしているともいえるのではないでしょうか。
しかしAmazonはアマゾンギフト券を換金・再販売を細則で禁止しています。
したがって換金目的でアマゾンギフト券を購入し現金化する行為はチケットの高額転売と同じようにAmazonを欺く詐欺行為と判断されてもおかしくはありません。
ただ今日では膨大な量のアマゾンギフト券が購入されており、「換金目的による購入」と判断することはそう簡単にできるものではないのです。
現状としては架空請求などの詐欺に対してはAmazonは厳しい対応となっていますが、単純に換金する目的でのアマゾンギフト券の購入に関しては黙認しているようにも感じられます。
つまりアマゾンギフト券の換金はAmazonを欺く行為と捉えることはできますが、現時点ではそういったケースはないため違法性はなくAmazonの自主的な判断に委ねられるということでしょう。
今後は電子チケットや電子ギフトの法整備が行われる可能性

電子チケットやアマゾンギフト券というのは物質的な存在がありません。
一般的な商品券や新幹線の回数券は「券」としての存在があり金券ショップではその売買となります。
最近ではビットコインなどの物質のない仮想通貨の法律が施行され話題となっていますが、今のところアマゾンギフト券や電子チケットの売買に関して明確な法律はないのです。
今後はこのインターネット上にしか存在しない目には見えないギフト券やチケットの法整備も行われることでしょう。